2018.06.01.Fri

「MESSIAH/BEAUTIFUL GARDEN」

  

 
               明日海りお
 
ミュージカル「MESSIAH(メサイア)‐異聞・天草四郎-」
作・演出/原田諒
江戸時代初期、幕府による禁教令が発布された後も、九州・天草の地には数多くのキリシタンが隠れ住んでいた。
そこに一人の男が流れ着く。
自らの過去を多く語ろうとしないその男は、キリシタン大名として知られた小西行長の遺臣によって拾われ、四郎と名づけられた。
周囲の人々に頑なな四郎は、やがて一人の娘との出会いを通じてキリシタンの教えを知ることになる。
その頃、肥前島原藩主によるキリシタン弾圧と過酷な年貢の取り立てに、民衆たちの我慢は限界に達していた。
天草、そして島原の人々の為、立ち上がることを決意する四郎。
はたして彼は真の救世主(メサイア)となり得たのか、そして人々の心に何を残したのか…?
島原の乱の指導者として多くの伝説を残し、今もなお謎多き人物として異彩の魅力を放つ天草四郎時貞の姿を、新たな視点でドラマティックに描き出した作品。
従来の日本物の枠にとらわれず、衣装や美術に現代的なエッセンスを加味した、新たな日本物オリジナル・ミュージカルとしてお届け致します。

寛永十四年(1637年)春、東シナ海。倭寇の頭目夜叉王丸は、仲間の不動丸多聞丸らと共に、南蛮渡来の財宝が眠るという伝承を頼りに、数年振りに日本を目指していた。
だがその最中突然の嵐に見舞われ、船は難破。仲間は散り散りになってしまう。
時は移り、明暦二年(1656年)江戸城。南蛮絵師・山田祐庵は、若き将軍・徳川家綱から呼び出され、「島原の乱」で一揆軍が立てこもった原城で見つかったという未完成の聖母マリアの絵を見せられ驚愕する。
それはかつて祐庵が描ききれなかったマリア像に違いなかった。
家綱から「島原の乱」の真実を知りたいと請われた一揆軍唯一の生き残りである祐庵は、自身にとって最も辛い記憶である20年前の出来事を語りはじめる。
再び時は遡り、寛永十四年。九州天草の地。ここはかつてキリシタン大名・小西行長の領地であったことからキリスト教が広く人々に浸透し、禁教となった現在でも密かに信仰を持ち続ける人々が復活祭の祈りを捧げていた。
そこに不審な男が流れ着いたという報せが入り、小西行長の遺臣・渡辺小左衛門が駆け付ける。
果たして男は嵐の海から奇跡的に天草に打ち上げられた夜叉王丸だったが、彼は倭寇の頭目であることは勿論、名さえ名乗のろうとはしなかった。
だが、そんな夜叉王丸が禁教を取り締まる幕府の間者等ではなく、いつか自分たちにとって大切な人物となると直感した小左衛門は、妻・の父・益田甚兵衛に夜叉王丸の世話を頼む。
快く引き受けた甚兵衛は夜叉王丸に「四番目の子」として「益田四郎時貞」の名を与えて迎え入れる。
素性も知れぬ自分を何ひとつ訊かずに受け入れてくれた天草の人々に、夜叉王丸=四郎はかつてない想いを抱くようになる。
そんなある日、四郎はやはり難破した船から生き残って天草にたどり着いた不動丸、多聞丸に再会。
この地に眠る財宝を探そう!という2人の話しを、人々の貧しい暮らしを見て来た四郎は一笑に伏すが、対岸の島原と天草の間にある岩ばかりと聞かされていた無人の島・湯島に何かあるに違いないという二人の言葉に動かされ、密かに湯島に渡る。
そこで四郎が見たのは財宝ではなく、数多の聖人画だった。
それはリノの洗礼名を持つ南蛮絵師・山田右衛門作(のちの祐庵)が、人目を忍んで人々の信仰の為に描き続けているものだった。
ご禁制の聖人画を見られた以上生きて帰す訳にはいかないと、刀を手にして四郎に斬りかかろうとしたリノを止めたのは、聖人画のモデルを務めていた島原の娘・流雨だった。
流雨の美しさと毅然とした振る舞いに心惹かれながら四郎は湯島を後にする。
だが、流雨が忘れられず数日後再び湯島に渡った四郎は、自らの出世欲の為だけに領民から過酷な年貢を取り立てるばかりか、干ばつで作物が実らず年貢を納められない一家を皆殺しにする等の圧制を強いてきた島原藩主・松倉勝家が、民の苦しみを見かねた流雨の兄・松島源之丞の命を賭した救済嘆願を聞き入れる代わりに、流雨を城にあげよと命じたことを知る。
民を人とも思わぬ松倉のもとに行けば、流雨がどんな目に遭わされるか知れたものではない。
流雨を守るべく四郎はリノと共に天草に流雨を伴うが、自分を匿えば天草の人々にまで迷惑がかかる、島原の人々が少しでも救われるなら城にあがると、身を挺する覚悟を決めた流雨は島原に戻ろうとする。
そこへ宗門改めに藩の侍が駆け付け、踏み絵をためらったリノを庇い自ら踏み絵を踏んで見せた四郎は、懺悔を勧める人々に「死して魂が救われることを待つのではなく、自分たちの手で今この世界に理想の『はらいそ』を創ろう!」と説く。
禁じられた信仰にすがりいつか「はらいそ(天国)」に迎え入れられることだけを信じて、艱難辛苦に耐えてきた人々は四郎の姿に希望を見出し、彼こそが「MESSAIAH=救世主」だと信じてついに立ち上がる決意を固めるが…。

ショー・スペクタキュラー「BEAUTIFUL GARDEN-百花繚乱-」
作・演出/野口幸作
百花繚乱、色とりどりの花が咲き薫る永遠の花園、タカラヅカ。
そのなかでもひときわ美しく大輪の花を咲かせる明日海りお率いる、比類なき美の宝庫・花組の魅力の全てを盛り込み、「花美男子(HANAOTOKO/ハナオトコ)」の誘惑に心ときめき、「花美乙女(HANAOTOME/ハナオトメ)」の優美な姿に酔いしれる、絢爛豪華で大人の雰囲気のショー作品。
野に咲く花々のように麗しく美しく芳しく、夜空を彩る花火のように熱く激しく妖しく、そして鮮烈に!
古今東西の名曲と美しいコスチュームの数々で、花にまつわる恋人たちの愛と夢とロマンを描く、めくるめくエンターテインメント・ショーにご期待下さい。

 

 
たそ、何で辞めてまうんや…
柚カレー、いよいよ大劇場でも2番手羽根背負っちゃうよ。。
  
  

 
   
ハイ
主な配役
夜叉王丸/  明日海りお
(天草四郎。倭寇の頭目。九州天草に流れ着き、益田四郎時貞の名を与えられる)
益田甚兵衛/  一樹千尋(専科)
(大矢野島に住む小西行長の遺臣。夜叉王丸を引き取り、四郎時貞の名を与える)
渡辺小左衛門/  瀬戸かずや
(大矢野島に住む小西行長の遺臣)
/  桜咲彩花
(甚兵衛の長女であり、小左衛門の妻)
小平/  華優希
(渡辺小左衛門の息子)
/  城妃美伶
(甚兵衛の次女)
/  舞空瞳
(甚兵衛の三女)
渡辺佐太郎/  優波慧
(渡辺小左衛門の弟)
長一郎/  帆純まひろ
(渡辺小左衛門に仕える)
芦塚忠右衛門/  航琉ひびき
(小西行長の遺臣)
とき/  華雅りりか
(芦塚忠右衛門の妻)
芦塚忠太夫/  舞月なぎさ
(芦塚忠右衛門の弟)
森宗意軒/  高翔みず希
(小西行長の遺臣であり、キリシタンたちがミサを行う時の司祭代わり)
田崎重吉/  一之瀬航季・南音あきら
(森宗意軒の弟子)
赤星宗帆/  桜舞しおん
(大矢野島に住む元武士)
ゆき/  芽吹幸奈
(天草の農民)
弥一/  音くり寿
(天草の男の子)
風太/  春妃うらら
(天草の男の子)
なつ/  茉玲さや那
(天草の女の子)
天草の女/  美花梨乃・真鳳つぐみ
三宅藤兵衛/  羽立光来
(唐津藩天草領富岡城代)
 
松倉勝家/  鳳月杏
(島原藩主。苛政を敷き、キリシタンを弾圧する)
田中宗甫/  天真みちる
(島原藩家老。勝家に仕える)
多賀主水/  冴月瑠那
(島原藩家老。勝家に仕える)
島原藩の役人/  碧宮るか
  
松島源之丞/  和海しょう
(島原・有家に住む有馬晴信の遺臣)
流雨/  仙名彩世
(島原・有家の松島源之丞の妹)
みね/  鞠花ゆめ
(松島家に仕える下女)
山田祐庵/  柚香光
(リノ。山田右衛門作。有馬のセミナリヨで絵を学んだ南蛮絵師)
助蔵/  峰果とわ
(有家の農民)
つる/  花野じゅりあ
(有家の農民。助蔵の妻)
くめ/  糸月雪羽
(助蔵とつるの娘)
すず/  新菜かほ
(有家の農民)
善左衛門/  千幸あき
(有家の農民)
  
徳川家光/  紅羽真希
(三代将軍)
松平信綱/  水美舞斗
(将軍・徳川家光の信頼厚い老中)
鈴木重成/  綺城ひか理
(幕臣)
徳川家綱/  聖乃あすか
(四代将軍)
茶坊主/  泉まいら
小姓/  詩希すみれ
 
不動丸/  飛龍つかさ
(倭寇。夜叉王丸の仲間)
多聞丸/  亜蓮冬馬・一之瀬航季
(倭寇。夜叉王丸の仲間)
波の精/白姫あかり・乙羽映見・更紗那知
 
  
  
      
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