2017.11.08.Wed
「ポーの一族」

明日海りお
ミュージカル・ゴシック「ポーの一族」
原作/萩尾望都 脚本・演出/小池修一郎
1972年に「別冊少女コミック」に第1作目を発表以来、少女まんがの枠を超えて幅広い読者を獲得してきた、漫画史上の傑作・萩尾望都の「ポーの一族」が宝塚歌劇に登場する。
永遠に年を取らず生き永らえていくバンパネラ“ポーの一族”。
その一族に加わったエドガーが、アランやメリーベルを仲間に加え、哀しみをたたえつつ時空を超えて旅を続けるゴシック・ロマン。
同作品をミュージカル化したいと夢見て宝塚歌劇団に入団した小池修一郎が、1985年に「いつか劇化させて欲しい」と申し出て以来30年余り、萩尾望都があらゆる上演希望を断り続けた幻の舞台が遂に実現する。
イギリスの片田舎スコッティの森。
当人たちには何の咎もない出生のいわれから、森の奥深くに置き去りにされた兄妹、エドガーとメリーベルは、薔薇の咲き乱れる館に住む老ハンナ・ポーに助けられ、健やかに成長していた。
自分たちがもらわれっ子だと自覚しているエドガーにとって、メリーベルはたった1人の肉親であり、命に代えても守るべき者として慈しみ、メリーベルもエドガーを世界の全てのように慕っていた。
ある日、村の子供たちから捨て子だとからかわれて喧嘩沙汰になったエドガーの前に、美しい貴婦人シーラが現れる。
傷の手当てをしてくれたシーラとの語らいに心弾ませるエドガー。
それは初恋とも言えない、記憶にない母親という存在への思慕に似た想いだったが、その想いは一瞬にして儚くも萎んでいく。
シーラは老ハンナの一族ポーツネル男爵との結婚の赦しを得る為に、薔薇の館を訪れたのだ。
その夜二人の婚約式が行われるから、離れから出ないようにと言い含められたエドガーは、婚約式に出られないのは「私達がもらわれっ子だから?」とのメリーベルの悲し気な問いを否定するように、婚約式をのぞき見る。
だが、エドガーが見てしまったのは、老ハンナから首筋に口づけされ、人ではない一族に加わったシーラの姿だった。
「ポーの一族」はすなわち、吸血鬼=バンパネラの一族だった。
エドガーはその利発さと芯の強さを、将来の一族の長にと見込まれ、老ハンナに引き取られたことを悟る。
「大人になったら、我々の一族に加わるね?」
秘密を知ってしまったエドガーに誓約を迫る老ハンナの言葉に、エドガーはメリーベルを巻き込まないことを条件に頷くしかなかった。
エドガーの希望で、薔薇の館からメリーベルは養女に出され、エドガーは永遠に時を止める瞬間が迫ることに慄きながら生きることになる。
だが、その瞬間は唐突にやってくる。
かねてから館の住人に疑惑の目を向けていた村人たちが、一族の正体に気づき、杭と松明を手に館を取り囲んで、最初の犠牲者となった老ハンナが消滅する。
妻の想いに応える為、一族の中で最も強く濃い血を持った大老ポーは、エドガーの首筋に口づけると、ポーツネル男爵夫妻にエドガーを託し、村人たちとの戦いの中で消えていく。
混濁した意識の中でエドガーは、自らが変化していくのを感じていた。
時の流れが永遠に止まり、少年のままバンパネラとなったエドガー。
永遠に成人しない彼はもう、1つ所に長く暮らすことは許されない。
終わらない旅に出る前に、一目だけでもとメリーベルに会いに行ったエドガーだったが、兄が迎えに来る日を信じて待ち続けていたメリーベルもまた、エドガーに全てを委ねて共に行く道を選ぶ。
1879年。新興の街ブラックプール。
まるで絵のように美しい一家と噂されるポーツネル男爵夫妻と、その「息子」エドガー、「娘」メリーベルは、男爵夫妻が密かに一族に加えるに相応しい人物を探していることを知っていた。
永遠に続く旅路は、愛がなければ進むことができない。
その時エドガーの前に、心の拠り所を持たず、愛を知らぬまま孤独に生きる少年、アラン・トワイライトが現れて…。

あらまぁ、見事にセンナさーん手鏡化。
今作から花組は柚カレーが2番手昇格&娘1兼任体制でいくのでしょう。
お披露目邪馬台国で大コケして、ハンナさんではタイトルロールを研2の舞空ひっとんに持ってかれ、今作でも実質ヒロインをはいからさん華優希に奪われ…。
ちょっと不遇な気もするけど、そもそも元々別格ポジの人だから、娘役2番手、て位置付けの今この待遇が一番お似合いなような。。
ハイ

エドガー・ポーツネル/ 明日海りお
(永遠の時を生きるバンパネラ)
幼いエドガー/ 鈴美梛なつ紀
メリーベル/ 華優希
(エドガーの妹)
シーラ・ポーツネル男爵夫人/ 仙名彩世
(エドガーの義母。ポーツネル男爵との愛を貫き、ポーの一族に加わる)
フランク・ポーツネル男爵/ 瀬戸かずや
(エドガーの義父。ポーの一族)
イルリー乳母/ 新菜かほ
(エドガーとメリーベルを森に捨てる)
馭者/ 峰果とわ
老ハンナ/ 高翔みず希
(捨て子であったエドガーとメリーベルを育てた老婆。ポーの一族)
レダ/ 鞠花ゆめ
(老ハンナの小間使い)
大老ポー/ 一樹千尋(専科)
(ポーの一族の長)
バラの巫女/菜那くらら・乙羽映見・若草萌香
<1754年・スコッティ村>
村長/ 航琉ひびき
(スコッティ村の村長)
村役人/ 舞月なぎさ
(スコッティ村の住人)
牧師/ 羽立光来
(スコッティ村の住人)
ビル/ 天真みちる
(スコッティ村の住人)
ペッペ/ 帆純まひろ
(スコッティ村の少年、ビルの息子)
レミ/ 飛龍つかさ
(スコッティ村の少年)
ロッド/ 亜蓮冬馬
(スコッティ村の少年)
ジョージィ/ 聖乃あすか

(スコッティ村の少年)
<1754年・ロンドン>
大道芸人/帆純まひろ・愛乃一真・碧宮るか
ディリー/ 音くり寿
(ロンドンの花売り娘)
市場の女/ 真鳳つぐみ
ユーシスの母/ 紗愛せいら
ユーシス/ 矢吹世奈
(オズワルドの父親違いの弟)
オズワルド/ 冴月瑠那
(ユーシスの父親違いの兄)
<1865年・ポーの森>
グレンスミス/ 優波慧
(ポーの一族に出会った旅人)
<1879年・港町ブラックプール>
アラン・トワイライト/ 柚香光
(港町ブラックプールで最も力を持つトワイライト家の跡取り息子)
レイチェル/ 花野じゅりあ
(アランの母)
ハロルド/ 天真みちる
(アランの伯父)
エレン/ 鞠花ゆめ
(アランの伯母)
マーゴット/ 城妃美伶

(アランの従姉妹)
エミリー/ 春妃うらら
(マーゴットの妹)
ビリー/ 糸月雪羽
(マーゴットの弟)
トワイライト家の執事/ 紅羽真希
ハリソン先生/ 航琉ひびき
ジャック/ 優波慧
(セント・ウィンザーの学生)
マイケル/ 飛龍つかさ
(セント・ウィンザーの学生)
サミー/ 亜蓮冬馬
(セント・ウィンザーの学生)
ピーター/ 帆純まひろ
(セント・ウィンザーの学生)
ジャン・クリフォード/ 鳳月杏
(ホテル・ブラックプールに診療所を開くドクター)
ジェイン/ 桜咲彩花
(ジャン・クリフォードの婚約者。カスター先生の娘)
カスター先生/ 飛鳥裕(専科)
(港町ブラックプール一の名医)
キャロル/ 美花梨乃
(ジャン・クリフォードの患者)
バイク・ブラウン/ 水美舞斗
(スピリチュアル・ジャーナルの編集長)
アボット支配人/ 和海しょう
(ホテル・ブラックプールの支配人)
ブラヴァツキー/ 芽吹幸奈
(世界一の霊能力者)
オルコット大佐/ 羽立光来
(元アメリカ陸軍大佐。ブラヴァツキーと共に行動している)
イゾルデ/ 菜那くらら
(霊能力者)
ポール・メイヤー/ 冴月瑠那
(霊能力者)
マダム・ビゴー/ 白姫あかり
(ウエディングドレスメーカー)
メアリー/ 華雅りりか
(ホテルの客)
メアリーの連れの男/ 綺城ひか理
<1959年・ドイツケルン市>
ハンス/ 亜蓮冬馬
(ガブリエル・スイス高等学校の学生)
テオ/ 帆純まひろ
(ガブリエル・スイス高等学校の学生)
キリアン/ 飛龍つかさ
(ガブリエル・スイス高等学校の学生)
<1964年・西ドイツフランクフルト>
マルグリット・ヘッセン/ 華雅りりか
(バンパネラ研究家)
ルイス・バード/ 綺城ひか理
(マルグリットの甥)
バイク・ブラウン4世/ 水美舞斗
(バイク・ブラウンの曾孫)
ドン・マーシャル/ 和海しょう
(バンパネラ研究家)


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